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■ ストレスの原因はどこにある? ■
2014.10.03
 地球のグローバル化と共に現代社会ではストレスが急増しています。病気、死、仕事、経済的な問題、孤独や人間関係など、何がきっかけでストレスが生じたとしても、私たちはそのきっかけにストレスの原因を求める傾向があります。しかし、実際には同じような環境におかれてもストレスが触発される人とされない人とがいます。これは、環境がストレスの原因だと言い切れないことをものがたっているのです。
 たとえば、AさんとBさんの二人が仕事で失敗したとします。Aさんは「失敗してしまったこと自体はどうにもできないこと。今後、失敗しないように気をつけよう」と気持ちを収めることができました。一方、Bさんは「こんな失敗をするなんて何てバカなことをしてしまったんだろう」と失敗したために生じてくることへの不安と失敗した自分に対する不満と悔やみでストレスを抱え込んだとします。これは仕事で失敗したという同じ状況下で、両者の間でストレスになるかならないかの違いが生じているのです。
 その違いは、仕事を無事に終えたいという思いと仕事を失敗したという現実とのギャップを、受け入れることができるかできないかにあります。AさんもBさんも、「仕事で失敗すること」を良いとは思っていません。しかし、Aさんは「失敗してしまったことはどうにもならないこと」と失敗した現実を受け入れているのに対し、Bさんは失敗した現実を受け入れることができずに自分を責め続けるのです。
 このようにストレスで苦しむかどうかは、「仕事で失敗したこと」に原因があるのではなく、「失敗したこと」を受け入れるか拒むかの失敗したことへの対応の仕方にその原因があることが分かります。ストレスを少なくし健康な暮らしをするには、この拒絶的な対応の仕方を受容的なものにすることが課題なのです。
(森 正博)
ストレスの原因
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